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今昔文字鏡関連ユーティリティに関する声明

Since 2009/5/28 Last Updated


 以下の記述のうち、文字鏡研究会やエーアイ・ネットに対して批判・抗議をしている部分は、その後文字鏡研究会が問題となる偏狭な許諾条件を撤回したことにより、現在では意味がなくなりました。一度発表した文章なのでとりあえずそのまま掲載し続けますが、この点をご注意の上お読みください。
 なお、「終戦宣言」をもあわせてお読みください。

2010.7.21 真理子(青蛙亭主人 内)


  1. 問題の所在
    1. 今昔文字鏡の関連ユーティリティを作るにあたってどういう問題点があるかについては、製品レビュー:今昔文字鏡単漢字16万字版をご覧ください。
      要は、文字鏡研究会という団体が、異様に厳しい使用条件を設定していることにあります。ユーティリティを自由に作ることも公開することも許諾が必要、無許諾で作られたユーティリティを使っちゃいけない、など、常軌を逸した厳しさといわざるを得ません。
    2. 当ユーティリティは今昔文字鏡の検索プログラムやフォントを一切コピーしたりしません。あくまで、正規にインストールされた製品をより快適に使うためのユーティリティです。ですから許諾を申請すればたぶんすんなり通ることでしょう。
    3. しかし青蛙亭主人は、こんなことに許諾申請を求めること自体に強い違法性と憤りを感じるので、絶対に許諾申請をしません。
    4. 考えても見てください。今昔文字鏡が著作物だというのならば、本や論文と同様ということです。著作を公表するということはどういうことですか? あらゆる批判や論評を覚悟するという厳しい行為のはずです。「おいらの書いた著作への批評をするなら許諾を申請しろ」なんていうバカなことがありうるでしょうか。こんなことが許されたのでは、著作者は自分の著作に対する論評を封殺することが可能です。公的機関がこれをやれば検閲になり、憲法違反です。文字鏡研究会だのエーアイ・ネットだのというたかが一私人の行為に検閲も憲法違反も何もないのですが、自己の著作物への関連ユーティリティの制作や発表に許諾を求めるというのは、他人の言論の自由・表現の自由を侵害する不遜な行為にほかならないのです。
    5. よって、文字鏡研究会の設定している使用条件自体が日本国の法律に基づかない不当なものであり、無効であると宣言します。
    6. なお、文字鏡研究会では現在フォントの無償配布を中止していますので、文字鏡研究会が何を言おうと放置しておけばいい話です。過去に文字鏡研究会からフォントの無償配布を受けた人が当ユーティリティを使用する場合には、文字鏡研究会の設定した許諾条件にひっかかりますが、この許諾条件自体が違法で無効なものですから、安心して当ユーティリティをご使用くださいませ。
    7. 一方、製品版である「単漢字16万字版」の使用許諾契約書には、関連ユーティリティを作るなだの公開するなだの使うなだのということは一切書かれておりませんのでご安心ください。



  2. 文字鏡研究会とエーアイ・ネットに対する要望
    今昔文字鏡を愛し、これが漢字コードの新たなプラットフォームになることを夢見る一ユーザーとしての私からすれば、目先の利益に目をくらませ、不当に厳しい許諾条件を設定して、草の根ユーザーたちが今昔文字鏡に見切りをつけるという事態を惹起させた文字鏡研究会、およびこれを放置したエーアイ・ネットは、今昔文字鏡の生みの親でありながら、今昔文字鏡の成長を阻害する「悪の枢軸」であるといわざるを得ません。一刻も早くこのような異常事態を解消し、今昔文字鏡を漢字コードの標準へと成長させるため、次の点を要望します。
    1. 文字鏡研究会は、表現の自由を侵害する愚かな使用許諾条件を撤廃し、関連ユーティリティ制作と発表の自由を認めよ。
    2. 文字鏡研究会は、無償版フォントとユーティリティのダウンロードサービスを再開せよ。
    3. エーアイ・ネットは、現在は「試験運用」という不明確な位置づけであるGIFリンクサービスを正式サービスとして継続させよ。またGIFファイルをダウンロードしてローカルに利用する自由を保証せよ。
    4. 文字鏡研究会およびエーアイ・ネットは、文字鏡番号とUnicodeとの変換テーブルなど、技術情報を公開せよ。
    これらは決して法外な要求ではありません。1-3はかつて文字鏡研究会とエーアイ・ネットご自身が実行していたことなのですから(3のGIFファイルのローカル設置の自由は現在もこのページに書いてある)。
    およそ一つのコード体系を広めようとするならば、フリーフォントの配付とコードテーブルなど技術情報の公開は最低限の条件です。フリーで使えるプラットフォームがあってこそその上でさまざまなビジネスチャンスが生まれるのですから、これらのことは決して損なことではありません。昔から「損して得とれ」というではありませんか。
    日本のユーザーはおとなしすぎます。パソコンの文化はメーカーだけでなくユーザーが発展させてきたのです。不当なことがあったら声をあげるべきです。
    私が作っているユーティリティは機能的にはつまらないものですが、今昔文字鏡を愛する一ユーザーとして、現在の今昔文字鏡をめぐる望ましからざる状況に一石を投じるべく、あえて公開するものであります。
    もしあなたの力を貸していただけるのであれば、戦いの呼びかけもご一読くださいませ。