![]() |
![]() |
![]() |
1.王喜 wǎng xī 王喜ぶ [訳]王は喜んだ。 2.國破山河在 guó pò shānhé zài 國破れて山河在り [訳]国都は破壊されたが山や河はそのまま残っている。 3.山高水深 shān gāo shuǐ shēn 山高く水深し [訳]山は高いし川は深い(旅路が困難なこと)。 4.國治 guó zhì 國治まる [訳]国は安定している 5.農天下之本 nóng tiānxià zhī běn 農は天下の本[もと]なり [訳]農業は国の基本である 6.王勃字子安太原人 Wáng Bó, zì Zǐ'ān, Tàiyuán rén. 王勃[わうぼつ]、字[あざな]は子安[しあん]、太原[たいげん]の人なり [訳]王勃は字(=実名以外の呼び名)は子安であり、太原の出身である。 |
1.入室見妻 rù shì jiàn qī 室に入りて妻を見る [訳]部屋に入って妻を見る。 2.工書善畫 gōng shū shàn huà 書に工[たくみ]にして畫[ぐわ]を善くす [訳]書道がうまく絵も得意である。 3.出東門 chū dōngmén 東門より出づ [訳]東口から出る。 4.謝病 xiè bìng 病[やまひ]と謝す [訳]病気だといって断る。 5.我爲趙將 wǒ wéi Zhào jiàng 我趙の將たり [訳]私は趙の将軍である。 |
1.容貌有飢色 róngmào yǒu jīsè 容貌に飢色有り [訳]外見には飢えている様子がある。 2.曠無人居亦無稲田蔬圃 kuàng wú rénjū yì wú dàotián shūpǔ 曠[くわう]として人居無く亦[また]稲田[たうでん]蔬圃[そほ]無し [訳]殺風景で人家もなければ水田も野菜畑もない。 3.世有伯楽、然後有千里馬。千里馬常有、而伯楽不常有。 shì yǒu bólè, ránhòu yǒu qiānlǐmǎ. qiānlǐmǎ cháng yǒu, ér bólè bù cháng yǒu. 世に伯楽有り、然る後に千里馬有り。千里馬は常に有れども、伯楽は常には有らず。 [訳]世の中には馬を見分ける名人がいてこそ、一日に千里を走る名馬が存在するのである。そういう名馬は常に存在するのだが、馬を見分ける名人はいつもいるわけではない。 |
1.堯讓舜天下 yáo ráng shùn tiānxià 堯舜に天下を讓る [訳]堯(君主名)は舜(君主名)に天下を讓った。 2.逢蒙學羿射 Féngméng xué Yì shè 逢蒙[ほうもう]は射を羿[げい]に學ぶ [訳]逢蒙は弓を羿から学んだ。 3.徳勝才謂之君子 dé shèng cái wèi zhī jūnzǐ 徳の才に勝る、之を君子と謂ふ [訳]人徳が才能に勝っている人のことを君子という。 4.堯讓天下於舜 yáo ráng tiānxià yú shùn 堯天下を舜に讓る [訳]堯(人名)は天下を舜(人名)に讓った。 5.景公問政孔子 Jǐnggōng wèn zhèng Kǒngzǐ 景公は政を孔子に問ふ [訳]景公(人名)は孔子(人名)に政治について質問した。 6.責人於全 zé rén yú quán 人に全[まつた]きを責む [訳]人に完全さを求める。 7.乘舟江湖 chéng zhōu jiānghú 舟に江湖に乘る [訳]川や湖で舟に乗る。 8.讀弟子書 dú dìzǐ shū 弟子に書を讀ましむ [訳]弟子に書物を読ませる。 |
わき道にそれますが「弟子」はこの場合「門人」という意味だと思うので「でし」と読んでかまいませんが、漢文では「弟や子」つまり年少者という意味でこの語を使うことも多く、その場合は「門人」という意味じゃないぞという注意を喚起するため「ていし」と読んだりします。
樂正子春下堂而傷其足數月不出猶有憂色 Yuèzhèng Zǐchūn xià táng ér shāng qí zǔ shù yuè bù chū yóu yǒu yōusè. 樂正子春堂より下りて其の足を傷つけ數月出でず猶憂色有り。 [訳]樂正子春(人名。「樂正」が姓)は表座敷から下りるときに足を傷つけ、数ヵ月外出せず、まだ憔悴した様子であった。 |
1.有朋自遠方來 yǒu péng zì yuǎnfāng lái 朋[とも]の遠方より來[きた]る有り [訳]ある友達が遠方からやってきた。 2.使弟子讀書 shǐ dìzǐ dú shū 弟子をして書を讀ましむ [訳]弟子に書物を読ませる。 |
1.見白雁群 jiàn bái yàn qún 白き雁の群を見る [訳]白い雁の群を見る 2.日本國人多嗜食鰻 Rìbǎnguó rén duō shì shí mán 日本國の人多く鰻を嗜み食ふ [訳]日本國の人々は鰻を好んで食べる人が多い。 3.與等輩避雨樹下 yǔ děngbèi bì yǔ shù xià 等輩と雨を樹下に避く [訳]仲間と木の下で雨宿りする。 4.朔欺久矣 Shuò qī jiǔ yǐ 朔(人名)欺くこと久し [訳]朔は長いことだましていた。 5.昭王病甚 Zhāowáng bìng shèn 昭王(王名)病[やまひ]甚[はなはだ]し [訳]昭王はひどい病気である。 6.民生長于齊不盗 mín shēngzhǎng yú Qí bú dào 民齊に生長すれば盗まず [訳]民は斉国に生まれ育つと盗みをしない。 |
1.知人者智、自知者明 zhī rén zhě zhì, zì zhī zhě míng. 人を知る者は智にして、自ら(を)知る者は明なり。 [訳]他人を知ることのできる者は智慧があり、自分を知ることができる者は聡明である。 2.分財利多自與 fēn cáilì duō zì yǔ 財利を分かつに多く自ら(に)與ふ [訳]財産を分けるのに自分のほうに多くわけた。 3.君王自爲之 jūnwáng zì wéi zhī 君王自[みづか]ら之を爲[な]せ [訳]王さまは自分でこれをおやりなさいませ。 4.桃李不言下自成蹊 táo lǐ bù yán xià zì chéng xī 桃李[たうり]言はざれど下[した]自[おのづか]ら蹊[みち]を成す [訳]桃やスモモはものを言わないが、人々がそれを目当てに集まるので木の下にはひとりでに道ができる。 |
文字 | 音 | 訓読 | 訳例 | 備考 |
---|---|---|---|---|
不 | bù | (未然形+)ず | ない | 「文法-否定」を参照 |
非 | fēi | (に+)あらず | ~でない | 「文法-否定」を参照 |
難 | nán | (連用形+)がたし | ~しにくい | 単独では「かたし」だが現実には必ず「がたし」になる |
易 | yì | (に+)あらず | ~しやすい | |
欲 | yù | (未然形+んと+)ほっす | ~したい・しようとする | |
雖 | suī | (と+)いへども | ~けれども、たとえ~ても | 名詞または用言の終止形に接続 |
以 | yǐ | (を+)もつて | ~によって | |
可 | kě | (終止形+)べし | ~できる・~してよい | ラ変型語には連体形に接続 |
所 | suǒ | ところ | ~されるもの | 連体形に接続。文法-受身を参照 |
所以 | suǒyǐ | ゆゑん | 原因・理由・手段 | 連体形に接続。文法-受身を参照 |
自 | zì | より | ~から | 名詞(用言は連体形にする)に直接接続 |
從 | cóng | より | ~から | 名詞(用言は連体形にする)に直接接続 |
與 | yǔ | と | ~と | 名詞(用言は連体形にする)に直接接続。なお、「A與B」のように2つの語を並列させる用法もあるが、訓読では「AとBと」のように「と」を2回読み、「A與レB」のように返り点をつけて、2回目の「と」を「與」の読みとし、1回目の「と」はAの送り仮名にする。 |
使・令 | shǐ・lìng | (未然形+)しむ | ~させる | 「文法-使役」を参照 |
見・被 | jiàn・bèi | (未然形+)る・らる | ~される | 「文法-受身」を参照 |
聞 未レ來のように書きます。読むときには、再読文字「未」にさしかかったらまずは返り点がないものとしてそこで「いまだ」という一番目の読み方で読み、あとは返り点にしたがって「來」を読んでから「未」に戻り、そこで二番目の読み方の「ず」を読むというわけです。
文字 | 音 | 訓読 | 訳例 | 備考 |
---|---|---|---|---|
例文 | ||||
未 | wèi | いまだ~ず | まだ~ない | 文法-否定も参照のこと |
未聞好學者也 wèi wén hào xué zhě yě 未だ學を好む者を聞かざるなり [訳]まだ学問が好きな人がいるということを聞いたことがない。 |
||||
猶・由 | yóu | なほ~ごとし | ちょうど~のようである | 「ごとし」の前は、名詞の場合「の」、用言の場合「連体形+が」 |
過猶不及 guò yóu bù jí 過ぎたるは猶ほ及ばざるがごとし [訳]やりすぎは、したりないのと同じである。 |
||||
將 | jiāng | まさに~(んと+)す | いまにも~しようとする ~するだろう・~しよう |
「す」の前の送り仮名が「未然形+んと」となる |
且 | qiě | |||
魏王將入秦 Wèi wáng jiāng rù Qín 魏王將に秦に入らんとす [訳]魏王がいまにも秦に入国しようとしていた。 將子貸三百金 jiāng zǐ dài sānbǎi jīn 將に子に三百金を貸さんとす [訳]あなたに三百金を貸してあげよう |
||||
當 | dāng | まさに~べし | 当然~すべきだ ~に違いない |
|
合 | hé | |||
當有災 dāng yǒu zāi 當に災(わざはひ)有るべし [訳]災いがあるに違いない 吏不當若是 lì bù dāng ruò shì 吏當に是[か]くの若[ごと]くなるべからず [訳]役人は決してこのようであってはならない |
||||
應 | yīng | まさに~べし | おそらく~だろう 当然~すべきだ |
上記「當」「合」に比べて意味が弱くなるが、実際には同じような訳をすることも多い |
君自故郷來、應知故郷事 jūn zì gùxiāng lái, yīng zhī gùxiāng shì. 君故郷より來[きた]る、應に故郷の事を知るべし [訳]君は私の故郷から来たからには、きっと故郷の事を知っているだろう |
||||
須 | xū | すべからく~べし | ぜひ~すべきだ | |
須要及時立志勉勵 xū yào jí shí lì zhì miǎn lì 須らく時に及んで立志勉勵するを要す [訳]ぜひちょうどいい時機に志をたててがんばることが必要である |
||||
宜 | yí | よろしく~べし | ~するのがよい | |
宜急去 yí jí qù 宜しく急ぎ去るべし [訳]急いで立ち去るのがよい | ||||
盍 | hé | なんぞ~ざる | どうして~しないのか(=すればよいのに) | |
盍反其本矣 hé fǎn qí běn yǐ 盍ぞ其の本に反[かへ]らざる [訳]どうしてその根本に立ち返らないのか |
作色而怒 zuò sè ér nù 色を作して怒る [訳]顔色をかえて怒る
※「作色」で文を切る場合は、「色を作[な]す。而[しか]して怒る」などとします。
遊於野 yóu yú yě 野に遊ぶ [訳]野に出かける
死已三千歲矣 sǐ yǐ sānqiān suì yǐ 死して已に三千歲なり基本的には完了なのですが、推量や命令に必ずしも過去とは限らず、現在も未来もありえます。また感嘆文に使うこともあります。
[訳]死んでもう三千年になってしまった。
其爲惑也終不解矣 qí wéi huò yě zhōng bù jiě yǐ
其の惑[まど]ひたるや終[つひ]に解けざらん
[訳]その迷いは結局解けずじまいになるだろう
往矣 wǎng yǐ 往け [訳]帰ってしまえ
君子有三樂、而王天下不與存焉 jūnzǐ yǒu sān lè, ér wàng tiān bú yù cún yānこの例では何も訓読していませんが、「焉」を「于是」に置き換えれば、直前で説明した「三樂の中に」という意味を残していることがわかります。
君子に三樂有り、而して天下に王たるは與[あづかり]り存せず
[訳]君子には三つの樂しみがあるが、天下を統治することはその三つには関係がない。
大風起兮雲飛揚 dà fēng qǐ xī yún fēiyáng 大風起りて雲[くも]飛揚す [訳]大風が吹き雲がわきおこる