●原著との異同
箇所 | 当サイト | 原著 |
21と22の A | 你 | 儞 |
21の A | 哪 | 那一 |
●新出単語
簡体字 | 繁体字 | 拼音 | 注音符号 | 意味 |
爱 | 愛 | ài | ㄞˋ | 愛する、好む、好きだ |
哪个 | 哪個 | nǎge (něige) | ㄋㄚˇ ˙ㄍㄜ (ㄋㄟˇ ˙ㄍㄜ) | どれ |
会 | 會 | huì | ㄏㄨㄟˋ | (習得して)できる |
几时 | 幾時 | jǐshí | ㄐㄧˇ ㄕˊ | いつ |
准 | 準 | zhǔn | ㄓㄨㄣˇ | きっと、確かに |
「哪个/哪個」“どれ”は「
代名詞」の本文には出てきませんでしたが、解説で触れたように“それ”の「那个/那個」が「哪个/哪個」をも兼ねていたのでしょう。
21のA:は『急就篇』原著では「儞愛那一個」と書いてあります。口語では「哪个/哪個」をněige/ㄋㄟˇ˙ㄍㄜと読むことが多いのですが、もともとこれは「哪一个/哪一個」の縮約形であり、『急就篇』原著はそれをしっかり表記したというわけです。
22の「会/會」は、技術などについて習得した結果“できる”という意味です。中国語には“できる”に相当する言葉がいろいろあります。たとえば前項で出てきた「可以」も“できる”と訳す場合がありますが、これは“許可されてできる、差し支えなくてできる”という意味になります。
22の「一点儿/一點兒」は前項で述べたように単独で使うことはできません。ですから「会/會」は省略できません。
23。日付は2ケタになる可能性がありますが、必ず「几号/幾號」と聞きます。
24。「几时/幾時」“いつ”は文語的な言い方で、現在では「什么时候(儿)(shénme shíhou(r))/甚麼時候(兒)(ㄕㄣˊ ˙ㄇㄜ ㄕˊ ˙ㄏㄡ (ㄦ))」が普通です。なお、「几时/幾時」というと一見“何時(なんじ)”というふうに時刻を聞いている意味にとりがちですが、そうではなくもっと漠然とした時間を聞く表現です。
●原著との異同
箇所 | 当サイト | 原著 |
26と27の A | 您 | “儞の下に心のついた字” |
26と27の A | 吗/嗎 | 麼 |
30のA | 叫 | 呌 |
●新出単語
簡体字 | 繁体字 | 拼音 | 注音符号 | 意味 |
您 | 您 | nín | ㄋㄧㄣˊ | あなた様 |
工夫 | 工夫 | gōngfu | ㄍㄨㄥ ㄈㄨ | ひま、(費やされる)時間 |
过 | 過 | guo | ˙ㄍㄨㄛ | ~たことがある |
趟 | 趟 | tàng | ㄊㄤˋ | ~回(往復動作) |
打算 | 打算 | dǎsuan | ㄉㄚˇ ㄙㄨㄢˋ | ~するつもりだ、~する予定だ |
由 | 由 | yóu | ㄧㄡˊ | ~から、~によって |
起旱 | 起旱 | qǐhàn | ㄑㄧˇ ㄏㄢˋ | 陸路で |
叫 | 叫 | jiào | ㄐㄧㄠˋ | ~と呼ぶ、~と称する、~という |
油炸果 | 油炸果 | yóuzháguǒ | ㄧㄡˊ ㄓㄚˊ ㄍㄨㄛˇ | 油炸果 |
26。新たに「您」という人称代名詞が出てきました。これは「你」の丁寧な形です。『急就篇』原著では儞の下に心のついた字が書いてありますが、今では台湾でも「您」字を使います。そもそもそういう字がUnicodeにありません。
「工夫」は費やされる期間としての“時間の余裕”という意味です。
27。「
来ましたか?(1-11)」で「去了吗?」という文をやったとき、「去了」は“行ってしまっていまここにいない”という意味なのだから主語は“あなた”ではありえない、という話をしました。しかし実際には“あなたは行きましたか”という質問はよくするところです。それをどういうかがこの文というわけです。
ポイントは「了」のかわりに「过/過」を使うことです。「过/過」は“~したことがある”という過去の経験を表しますので、“行ってしまっていまここにいない”という意味にはなりません。このように日本語の“~た”を何でもかんでも「了」と言うわけにいかないので注意しましょう。
28。「打算」は「
生活用語」で出てきましたが、“計画する”というような訳語より、このように“~するつもりだ”の意味で使うことが多いです。
29。「由~」は“~から、~によって”という意味の介詞です。介詞というのは英語でいう前置詞ですが、中国語では介詞とその次の成分が動詞など述語の前に来る点が違います。たとえば“私は東京から出発する”は、英語なら I start from Tokyo. というところでしょうが、中国語では「我由东京出发(Wǒ yóu Dōngjīng chūfā)/我由東京出發(ㄨㄛˇ ㄧㄡˊ ㄉㄨㄥ ㄐㄧㄥ ㄔㄨ ㄈㄚ)」となるのです。いわば “I from Tokyo start.” という語順になるということです。
29では「由怎么/由怎麼」ように、介詞の次に疑問語が来ています。英語ならやはり疑問語を文頭にもってくるところでしょうが、中国語ではそんな面倒くさいことは一切必要ありません。このままでいいのです。
「起旱」は今ではあまり使いません。そもそも“陸路で”などという答え自体が今では不自然でしょう。一応一語ですが、「起+旱」と分解でき、「起」が(今ではめったに使いませんが)“~から”という介詞、「旱」が“陸地”という意味になるので、重念は「旱」のところにおかれています。
「由怎么/由怎麼」は“船で、飛行機で”という乗り物を聞いているともとれますが、むしろ経路をきいているニュアンスです。たとえば「由他门前走(yóu tā mén qián zǒu.)/由他門前走(ㄧㄡˊ ㄊㄚ ㄇㄣˊ ㄑㄧㄢˊ ㄗㄡˇ.)」“彼の家の前を通って行く”のようにです。
30。『急就篇』原著では「叫」のかわりに「呌」字が使われていますが、単なる異体字なので簡体字/繁体字の関係ではありません。
「油炸果」は小麦粉を練っていろいろな形に整形して油で揚げたお菓子です。「油炸鬼(yóuzháguǐ/ㄧㄡˊ ㄓㄚˊ ㄍㄨㄟˇ)」とも言います。むしろ今ではそのほうが普通かもしれません。