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建物・衣服


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  1. 建物
    房子 屋子 门 墙 井 院子 客厅
    茅厕 花园子 楼
    fángzi wūzi mén qiáng jǐng yuànzi kètīng
    máosi huāyuánzi lóu
    家屋 部屋 出入口 塀・壁 井戸 中庭 客間
    便所 庭園 二階だての建物

     日本語の“家”は、ハード的な“家屋”という意味とソフト的な“家庭・家族”という意味とを兼ねています。中国語では「家」といったらソフト的なほうであり、ハード的なほうは「房子」です。
     「屋子」は“部屋”ですが、中国の伝統的家屋は「四合院(sìhéyuàn/ㄙˋ ㄏㄜˊ ㄩㄢˋ)」とよばれ、「院子」(中庭)を囲んで四隅に部屋を作ります。その部屋一つ一つが「屋子」、その集合体が「房子」なのです。ですからこの形になっていない西洋的な建築の部屋は「房间(fángjiān)/房間(ㄈㄤˊ ㄐㄧㄢ)」と言います。また南方では「屋子」が“家屋”の意味で使われることも多いです。
     「门/門」はいろいろな意味での“出入口”です。家全体の出入口である“門”かもしれませんし、部屋の“入口”かもしれません。またそれらに付属している遮蔽装置つまり“ドア・扉”のことも指します。
     「墙/牆」。台湾では「牆」のほか「墻」もあります。“壁”をあらわす語には「壁(bì/ㄅㄧˋ)」もあり、共通する部分も多いのですが、もともと「牆」が外垣、「壁」が内垣をあらわすので、壁を室内側から見た場合の語には「壁」、外側から見た場合の語には「墙/牆」が使われるという傾向があるかもしれません。
     「院子」は四合院(上記「屋子」参照)の中庭になります。
     「客厅/客廳」は応接間、またオフィスのロビーを指すこともあります。
     「茅厕/茅廁」。「厕/廁」の発音は本来cì/ㄘˋであり台湾ではこれが正式、一方cè/ㄘㄜˋという発音もあり大陸ではこれが正式です。そこで以下ピンインはcè、注音符号はㄘˋとします。では「茅厕/茅廁」の発音はmáoce/ㄇㄠˊ ˙ㄘではないかと思うかもしれませんが(実際そういう発音もあります)、この単語の時だけはmáosi/ㄇㄠˊ ㄙˋと発音されます。これは北京方言の口語的表現に「茅厕/茅廁」という字を無理やりあてたせいです。
     なお、トイレに相当する語はほかにもいろいろあります。今では「厕所(cèsuǒ)/廁所(ㄘˋ ㄙㄨㄛˇ)」が普通ですが、婉曲表現として「洗手间(xǐshǒujiān)/洗手間(ㄒㄧˇ ㄕㄡˇ ㄐㄧㄢ)」を用いるほうがよいでしょう。また洋式ホテルのトイレのようにバスルームと一体化したものは「卫生间(wèishēngjiān)/衛生間(ㄨㄟˋ ㄕㄥ ㄐㄧㄢ)」と言います。
     「花园子/花園子」は花や木が植えられた庭であり、必ずしも“庭園”という日本語訳からイメージされるような大規模なものでなくてもかまいません。上記のように「院子」は四合院の中庭なので、日本の庭に近いものとして“庭”と訳してよいでしょう。なお「花园/花園」だけでもかまいません。
     「楼/樓」はとりあえず“二階だての建物”と書いておきましたが、二階以上の建物ならば何回だてでもかまいません。ビルのことは「大楼(dàlóu)/大樓(ㄉㄚˋ ㄌㄡˊ)」と言います。「楼/樓」はまた二階、三階というときの“階”という量詞としても使いますが、その場合は今は「层(céng)/層(ㄘㄥˊ)」のほうが普通で、たとえば“二階だての建物”をしっかり“二階”であることをはっきりさせて表現するなら「两(liǎng)层楼/兩(ㄌㄧㄤˇ)層樓」となります。



  2. 施設
    衙门 学校 兵营 海关 公司 洋行
    邮政局 兵工厂 饭馆子 饭店 旅馆
    yámen xuéxiào bīngyíng hǎiguān gōngsī yángháng
    yóuzhèngjú bīnggōngchǎng fànguǎnzi fàndiàn lǚguǎn
    役所 学校 兵営 税関 会社 外国商館
    郵便局 兵器工場 レストラン ホテル 旅館

     「衙门/衙門」は古い言い方で、今では大陸なら「政府机关(zhèngfǔ jīguān)/政府機關(ㄓㄥˋㄈㄨˇ ㄐㄧㄍㄨㄢ)」(「政府」ないし「机关/機關」と略されることが多い)、台湾なら「官厅(guāntīng)/官廳(ㄍㄨㄢㄊㄧㄥ)」が普通です。もっとも“お役所仕事”というときは「衙门作风(zuòfēng)/衙門作風(ㄗㄨㄛˋㄈㄥ)」と言います。
     「洋行」というのは外国人経営の商社であり、また外国人相手に商取引をする商社のことも言います。
     「邮政局/郵政局」は今では「邮局/郵局」が普通です。特に台湾では「郵政局」というと郵便局を統括する役所のことになってしまいます。
     「兵工厂/兵工廠」とは日本では以前は“造兵廠”と呼んでいた施設です。なお一般に“工場”のことを中国語では「工厂/工廠」と言います。
     「饭馆子/飯館子」は「子」がなくてもかまいません。



  3. 衣服
    衣裳 带子 帽子 鞋 布 洋布 呢
    哈喇 羊皮 棉袄 马褂儿 裤子 袜子
    兜儿 手巾 棉纱
    yīshang dàizi màozi xié bù yángbù ní
    kǎlā yángpí mián'ǎo mǎguàr kùzi wàzi
    dōur shǒujīn miánshā
    衣服 ベルト 帽子 靴 布 機械織り布 ラシャ
    カーラー 羊の毛皮 綿入れの上着 馬褂 ズボン 靴下
    ポケット タオル 綿糸

     「衣裳」は「衣服(yīfu/ㄧ˙ㄈㄨ)」のほうがより一般的です。
     「鞋」は短い靴専用です。長靴やブーツなどの長い靴は「靴(xuē/ㄒㄩㄝ)」と言います。
     「布」は“布”一般ですが、20世紀初頭の中国では主に手織りの木綿布のことを言い、国産の布ということで「土(tǔ/ㄊㄨˇ)布」とも言いました。これに対して外国産の布つまり「洋布」というのは機械織りの布のことです。それを日本語では“カナキン(金巾)”と言いましたが、この言葉自体がすっかりすたれてしまったほど、今では機械織りが当たり前になり、さらには化学繊維が当たり前になってしまいました。20世紀初頭には化学繊維なんか全然なかったわけですから、これらの語彙もすっかり様変わりしてしまったというわけです。
     「呢」は“ラシャ”、つまりウールを起毛させた厚手の布地です。昔は冬服用布地として欠かせないものでしたが今ではかなりすたれてしまいました。むしろビリヤードやマージャンのマットでおなじみかもしれません。なお、軽い疑問などを表す「呢(ne/˙ㄋㄜ)」と同じ字ですが発音が違います。
     「哈喇」はラシャの中でもチベット産の高級ラシャのことを指します。発音はhǎlā/ㄏㄚˇㄌㄚもあります。上記「呢」を組み合わせて「哈喇呢」と言ったりもしました。いずれにせよ最近の中国語辞典にはまずこの語自体が載っていないほど、今では使われなくなってしまいました。
     「棉袄/棉襖」。後の「棉纱/棉紗」もそうですが、『急就篇』原著では「綿襖」「綿紗」と書いてあります。ところが現在では大陸でも台湾でも、木ヘンの「棉」と糸ヘンの「绵/綿」とを書き分けているので注意してください。つまり綿花や木綿など植物製のものは「棉」であり、蚕の繭から作られた絹の真綿のときには「绵/綿」なのです。
     「马褂儿/馬褂兒」は昔の男性用中国服の短い上着です。「马褂/馬褂」だけでもかまいません。
     「兜儿/兜兒」は「兜子」ともいいます。
     「手巾」は以前はハンカチのことも指しましたが、今ではタオルまたは手ぬぐいです。ハンカチのことは「手绢儿(shǒujuànr)/手絹兒(ㄕㄡˇㄐㄩㄢˋㄦ)」と言います。