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1. X[難]の使い方
以上、倉頡字母とその取り方を一通り終えましたが、実はまだ説明していないキーが一つあります。それがX[難]です。これを用いる字は限られており、また取り方も非常に特殊なので、最後に簡単に説明して終わりにします。
なお、倉頡ではZを用いておりません。
X[難]は、倉頡字母への分解が非常に困難な部分をまとめて取る字です。しかしX[難]を使う状況は非常に限られています。あなたが「ここは分解が難しい」というときになんでもかんでもX[難]で逃げてはいけません。以下、状況別に説明します。
なお、「難」は倉頡字母ではないので、「難」そのものを入力するのにX[難]1打で入力することはできません。入力できますか? TOOG[廿人人土]です。
字首にしろ字身にしろ、X[難]で始まるものはありません(後述の第五代の重複字区別入力を除く)。「何か→X[難]」もしくは「何か→X[難]→何か」という構造になっています。冒頭の何かとは、その字首や字身の最初の要素です。そして途中が難しいのでそこをとばし、まだ何か要素が残っていたら最後の要素を取るというわけです。
●「臼」を含む字
HX[竹難]です。冒頭は「ノ」ですからH[竹]。そこから先がわかりにくいからX[難]というわけです。
入力法
字
入力練習
ヒント
HX[竹難]
臼
HXHU[竹難竹山]
兒
HXWKS[竹難田大尸]
舅
QHXM[手竹難一]
揑
HXBT[竹難月廿]
盥
d上下が字首・字身に分かれるので結局「水」は関係なくなります。
HXJC[竹難十金]
輿
逆にこちらは整体字です。まずHX[竹難]で「臼」を出してから中の最初の要素を打ち、最後は下の「ハ」です
TOGX[廿人土難]
舊
字身の最後に来た「臼」、最後の1打しか取れないときはX[難]だけになります。
●「身」を含む字
HXH[竹難竹]。冒頭は「ノ」なのでH[竹]、途中をX[難]でとばして最後がやはり「ノ」なのでH[竹]で取るというわけです。
入力法
字
入力練習
ヒント
HXH[竹難竹]
身
CHXH[金竹難竹]
銵
HHDI[竹竹木戈]
射
「身」が字首になった場合、2打で取るためX[難]は使いません。
HHSRR[竹竹尸口口]
軀
HHDM[竹竹木一]
躰
●「慶」を含む字
IXE[戈難水]。「广」をI[戈]で取り、最後は「又」をE[水]で取ります。
入力法
字
入力練習
ヒント
IXE[戈難水]
慶
DIXE[木戈難水]
櫦
●「廌」を含む字
IXF[戈難火]。I[戈]は最初の「广」。最後の「灬」をF[火]で取ります。
入力法
字
入力練習
ヒント
IXF[戈難火]
廌
TIXF[廿戈難火]
薦
●「鹿」を含む字
IXP[戈難心]。最後の「ヒ」をP[心]で取っています。
入力法
字
入力練習
ヒント
IXP[戈難心]
鹿
HIXP[竹戈難心]
簏
IPTMC[戈心廿一金]
麒
IPFDQ[戈心火木手]
麟
●「肅」を含む字
LX[中難]。上半分はL[中]の輔助字形でしたね。
入力法
字
入力練習
ヒント
LX[中難]
肅
TLX[廿中難]
蕭
LXHAF[中難竹日火]
鷫
ETLX[水廿中難]
瀟
●「姊」の右側
LXH[中難竹]。縦棒をL[中]、「ノ」をH[竹]で取るわけです。
入力法
字
入力練習
ヒント
VLXH[女中難竹]
姊
ELXH[水中難竹]
泲
●「淵」の右側
LXL[中難中]。左と右の縦棒をL[中]で取っているわけです。
入力法
字
入力練習
ヒント
ELXL[水中難中]
淵
●卍
NX[弓難]。最初のカギがN[弓]というわけです。
入力法
字
入力練習
ヒント
NX[弓難]
卍
●「龜」を含む字
NXU[弓難山]。上の「ク」部分がN[弓]、最後がハネているLつまり上開きのコの字でU[山]。
入力法
字
入力練習
ヒント
NXU[弓難山]
龜
LNNXU[中弓弓難山]
鬮
HDNXU[竹木弓難山]
龝
●「黽」を含む字
RXU[口難山]。左上の四角いところをR[口]で取り、「龜」同様に最後がU[山]。
入力法
字
入力練習
ヒント
RXU[口難山]
黽
LIRXU[中戈口難山]
蠅
MMUU[一一山山]
黿
整体字なので注意
●「兼」を含む字
TXC[廿難金]。上の「䒑」はT[廿]の輔助字形でした。最後は「八」をC[金]で取ります。
入力法
字
入力練習
ヒント
TXC[廿難金]
兼
ITXC[戈廿難金]
廉
VTXC[女廿難金]
嫌
YRTXC[卜口廿難金]
謙
TCHAF[廿金竹日火]
鶼
字首は2打なので…
●「齊」を含む字
YX[卜難]。上のナベブタがY[卜]。下は一切無視です。
入力法
字
入力練習
ヒント
YX[卜難]
齊
YXF[卜難火]
齋
YXBT[卜難月廿]
齍
YXBUC[卜難月山金]
齎
YXLMM[卜難中一一]
齏
MBYX[一月卜難]
霽
●Xで始まる字
倉頡Ver.5(第五代倉頡)では、同じ取り方になってしまう字が複数ある場合、一方の先頭にXをつけて区別するようになりました。このときのXのニーモニック(わかりやすくするための漢字表記)は「難」でなく「重」です。
たとえば「筍」と「昏」はどちらもHPA[竹心日]になってしまうので、「筍」のほうはXHPA[難竹心日]とする具合です。
しかし現実の処理系は倉頡Ver.5に基づいておらず、どちらもHPA[竹心日]とし、候補から選択する形になっています。ですからこれは扱いません。