●原著との異同
●新出単語
簡体字 | 繁体字 | 拼音 | 注音符号 | 意味 |
数 | 數 | shǔ | ㄕㄨˇ | 数える |
数(儿) | 數(兒) | shù(r) | ㄕㄨˋ (ㄦ) | 数 |
过数(儿) | 過數(兒) | guòshù(r) | ㄍㄨㄛˋ ㄕㄨˋ (ㄦ) | 数を点検する |
「数/數」は、“数える”という動詞のときは3声、“数”という名詞のときは4声になります。このように複数の音を持つ字のことを破音字と言います。中国語は一字一音の原則がありますが破音字も意外に多く、重要なもの、頻出のものは出てきたらしっかり覚えていきましょう。
「了」のだぶりの件は「
お名前は?(51-60)」で宿題にしてありましたのでここでしっかり説明します。
実は「了」には2種類あります。一つは述語の直後について完了を表す助詞、もう一つは文末について状態の変化や新たな事態の発生を表す助詞です。どちらも大ざっぱには“~た”と訳せばいいし、性格が共通している部分もあるのですが、一応別物です。北京語ではたまたま同じ形というだけで方言によっては異なる語になっているものもあります。とりあえず前者を「了1」、後者を「了2」とします。
実は北京語でも「了2」を「啦」と書いて区別する流儀があります。「啦」は辞書では発音はla/˙ㄌㄚと注音されていますが、実質的には「了(le/˙ㄌㄜ )」と同音です。たとえば『岩波中国語辞典』は(新しい「簡体字版」ですら)この流儀であり、“le(了)”のところに書いてある説明は「了1」のものばかりで、「了2」は“la(啦)”のところを見なければなりません。しかしこのような書き分けはちっとも一般的でなく、『急就篇』も含めて普通は両方とも「了」と書きます。
「了1」は述語の直後について、動作が完了したり状態が実現したりする意味を表します。そして動作は完了してしまったので、それっきりでおしまいという含みを持ちます。
語法上の制約として、「了1」で文を終止させるには、目的語が裸であってはならず、数量補語をつけたり修飾語をつけたり「了2」をつけたりしなければなりません。もしつけないと文はそこで終止せず、“~してから(し終わってから)…”のように次に続く形になります。
我写了一封信。
我写了信,就走。
我写了信了。
これに対して「了2」は広く文末につき、動作が実現したり状態が変化したりする意味を表します。この場合は動作は実現して今こういう状態になったというわけですから、動作や状態は現在進行中というニュアンスになります。
「了1」と「了2」を併用することができます。「了1」があるので動作は完了したのですが、「了2」もあるので、その動作は完了して今そういう段階になり、今後さらに持続していくという含みがあります。たとえば
我在北京住了三年。“私は北京に三年住みました(そして今はいません)”
我在北京住了三年了。“私は北京に住んで三年になりました(今もいます)”
という具合です。
●原著との異同
なし。
●新出単語
簡体字 | 繁体字 | 拼音 | 注音符号 | 意味 |
刮 | 颳 | guā | ㄍㄨㄚ | 風が吹く |
西北 | 西北 | xīběi | ㄒㄧ ㄅㄟˇ | 北西 |
浪 | 浪 | làng | ㄌㄤˋ | 波 |
倒 | 倒 | dào | ㄉㄠˋ | むしろ、かえって、まあ |
[1]の冒頭についている「是」は強調のはたらきをするもので、なくてもかまいません。
波のことは普通は「波浪(bōlàng/ㄅㄛ ㄌㄤˋ )」というのですが、“波が高い”というときには「浪」だけになることもあります。
「倒」は“かえって、むしろ”のような逆接的な意味のほか、“まあ”という語調をやわらげるはたらきもあります。「倒是」という形でもよく用いられます。