表示コントロール | 簡体字本文 | 繁體字本文 | 拼音 | 注音符号 | 訳 | 解説 |
---|---|---|---|---|---|---|
|
箇所 | 当サイト | 原著 |
---|---|---|
52と55のA | 哪 | 那 |
53と55の A | 您 | “儞の下に心のついた字” |
54の A | 吗/嗎 | 麼 |
簡体字 | 繁体字 | 拼音 | 注音符号 | 意味 |
---|---|---|---|---|
起来 | 起來 | qǐlái | ㄋㄚˇ ㄌㄧˊ | 起き上がる、立ち上がる |
喝 | 喝 | hē | ㄏㄜ | 飲む |
从 | 從 | cóng | ㄘㄨㄥˊ | ~から |
打 | 打 | dǎ | ㄉㄚˇ | ~から |
家里 | 家裏 | jiāli | ㄐㄧㄚ ˙ㄌㄧ | 自宅 |
●原著との異同
●新出単語
56から59までは挨拶言葉が続きます。 挨拶は文字通りの訳ができません。たとえば中国語の“こんにちは”は「你好」ですが、もともとこれは“あなたはお元気ですか?”という疑問文です(→「もう一杯召し上がれ(71-80)」)。だからといって今ではこれを“あなたはお元気ですか?”と訳してしまっては間違いであり、“こんにちは”と訳さねばなりません。しかし文脈によっては(たとえばこのあとに健康状態に関するやりとりが続くなど)、本来の意味である“あなたはお元気ですか?”と訳さねばならないこともあるでしょう。 現在では挨拶は単純化、簡略化され、「你好」のような挨拶専門語句が固定化されているので、このような特殊な判断をしなければならない状況は限られています。しかし『急就篇』の時代の中国では挨拶言葉は固定化されておらず、状況によっていろいろな表現をしたのです。ですから小説などの翻訳では、場面をしっかり判断して訳すことです。これは意味のない挨拶のやりとりだと判断したら、字面どおりの訳はせず、思い切ってはしょってしまう必要があります。 56は文字通りには“お食事はお済みですか?”“もう済ませました”ですが、実際には“おはよう”程度の意味で言っている可能性が大です。こういうときは、たとえ実際にはご飯がまだでも、「偏过了/偏過了」といわねばなりません。でないと相手に飯をおごらせることになってしまいます。 「了」を用いた文の否定は「没有/沒有」を用います。たとえば「去了」の否定形は「没有去/沒有去」です。意味は“(まだ)行ってない”というわけですから「了」が消えることに注意してください。単に“いいえ”と答えたいときには「去」を省略して「没有/沒有」だけにすることもできます。 「没有/沒有」は述語の前につく否定語として用いるときは「没/沒」のように省略することができるので、「没有去/沒有去」は「没去/沒去」でもかまいません。しかし単に「没有/沒有」だけのものを「没/沒」ということはできません。 ですから「了」を用いた文で肯定+否定の形の疑問文を作るときは、「了没有/了沒有」となります。この場合「没有/沒有」は「没/沒」だけにしてはいけません。 56のAで「了」が2回出てきていることについてはやっかいな話があるので、とりあえずここではいいことにしてください。詳しいことは「数えましたか(1-5)」で説明します。とりあえず、“動詞+目的語”という構造をもったものに「了」をつけるときには“動詞+「了」+目的語+「了」”となるが、前の「了」は省略できる、というくらいに理解しておいてください。「用饭/用飯」は動詞+目的語という構造を持つので「了」をつけると「用了饭了/用了飯了」となるのです。ただし前の「了」は省略できますので「用饭了没有?/用飯了沒有?」でもかまいません。 「偏过了/偏過了」は文字通りには、“あいにくとすませてしまいました”です。つまり相手の言葉を“お食事はお済みですか。お済みでないならご一緒にどうぞ”という食事のお誘いと解釈したうえで、それを断っているのです。もちろん実際には挨拶言葉ですからそんな意志は全くないのですが。 57。中国語の命令文は平叙文と全くかわりません。ですから「你看」は“あなたは見る”でもありうるし、“あなたは見なさい”でもありうるのです。もっとも命令文の場合は「你」を省略するのが普通ですが、平叙文だって主語を省略することがあるのですから同じことです。命令文の語気をやわらげる言葉として、「~吧」をやりましたが、逆に「吧」がついていれば命令文だということがよりわかりやすくなっているといえます。 同じように命令文の語気をやわらげる言葉に、「请/請」があります。英語でいえばpleaseにあたる言葉ですが、動詞の直前につけます。 57のBは着席をうながされたときの返答の挨拶言葉ですから、文字通り訳すとしても“そちらこそお座りください”のように主語を補って訳す必要があります。挨拶言葉ですから“どうぞ”とか“どうも”とか、適当に片付けたほうがいいような気がします。 58。タバコを吸うのは今では「抽(chōu)烟/抽(ㄔㄡ)煙」ないし「吸(xī)烟/吸(ㄒㄧ)煙」と言います。タバコを吸う能力は“習得”ととらえられているようで、「会/會」を使います→「どれが好きですか?(21-30)」。 59。「请/請」は単独で使うこともできます。その場合は57同様に、勧められたことをそのままオウム返しにしているということになりますから、“そちらこそどうぞ、ご遠慮なく”と辞退しているわけです。 60。「位」は敬意をもって人を数える量詞です。 |