●原著との異同
ありません。
●新出単語
簡体字 | 繁体字 | 拼音 | 注音符号 | 意味 |
几 | 幾 | jǐ | ㄐㄧˇ | いくつ、いくつか(10未満) |
多少 | 多少 | duōshao | ㄉㄨㄛ ㄕㄠˇ | いくつ、いくつか(10以上) |
还 | 還 | hái | ㄏㄞˊ | まだ |
こんどは疑問語を用いる疑問文です。まずは個数や人数をたずねる疑問文から始めましょう。
“いくつ”にあたる言葉は「几/幾」と「多少」とがあります。「几/幾」は原則として答えが1ケタであることを想定した場合に、「多少」は2ケタ以上であることを想定した場合に用います。また、「几/幾」は単独で使うことができず、後に必ず「个/個」「人」などといった量詞が必要になります。これに対して「多少」は量詞があってもなくてもかまいません。
疑問語を用いる疑問文では、末尾に「吗/嗎」をつけたり、肯定+否定の形にしたりしてはいけません。その理由は次のとおりです。
中国語の疑問語はみな不定の意味ももっています。たとえば「几/幾」は“いくつの~”だけでなく、“いくつかの~”という意味もあるのです。どちらの意味になるかは文脈で判断しますが、もし末尾に「吗/嗎」をつけたり、肯定+否定の形にしてしまうと疑問語は不定の意味になってしまいます。なぜならその文は末尾の「吗/嗎」や肯定+否定の形によって疑問文になっているのだから、疑問語の部分は疑問の意味でなく不定の意味だろう、という解釈がはたらくのです。ですから「有几个吗?/有幾個嗎?」とか「有沒有几个?/有没有幾個?」と言ってしまうと、“いくつ
かありますか”、つまりあるかないかをたずねる疑問文になってしまい、数量をたずねる疑問文にならないのです。
英語では疑問語は文頭におかれます。中国語も文語つまり漢文ではやはり文頭におかれるのが普通ですが、口語では本来の位置のままです。つまり「有
五个/有
五個」の「五」のところをそのまま「几/幾」に置き換えればよく、英語のように文頭に持っていったりしてはいけないということです。
中国語の語順の大原則は、“主語+述語+目的語”、つまり英語式です。しかし“××がある”というのは“××有”ではなく、“有××”になります。「有」はいわばhave、つまり“持つ”という意味だと思えばよいでしょう。ですから「五个有/五個有」はダメで、「有五个/有五個」。疑問文になっても「有几个?/有幾個?」というわけです。
14.の「还/還」は、“まだ”という意味のときはhái/ㄏㄞˊ、“かえる・かえす”という動詞のときはhuán/ㄏㄨㄢˊと読みますので注意しましょう。
15.のBの「几/幾」は、“いくつか”という不定の意味で用いられています。
16.の「天」は、日付ではなく日数です(→“
日付と時刻”)。
●原著との異同
●新出単語
簡体字 | 繁体字 | 拼音 | 注音符号 | 意味 |
病 | 病 | bìng | ㄅㄧㄥˋ | 病気、病気になる |
怎么样 | 怎麼樣 | zěnmeyàng | ㄗㄣˇ ˙ㄇㄜ ㄧㄤˋ | どうである |
一点儿 | 一點兒 | yìdiǎnr | ㄧˋ ㄉㄧㄢˇ ㄦ | 少し |
在家 | 在家 | zàijiā | ㄗㄞˋ ㄐㄧㄚ | 在宅する、家にいる |
事 | 事 | shì | ㄕˋ | こと、用事、出来事 |
「怎么/怎麼」「什么/甚麼」はすでに「
代名詞」で出てきました。
「怎么/怎麼」は“どう”と様態を問う疑問語です。また“どうして”と原因・理由を問うのにも使います。17のようにいきなり「了」をつけることもできます。
「怎么样/怎麼樣」は似ていますが、“どうである”と状態をきいています。
「一点儿/一點兒」は“少し”という副詞ですが、語順に注意してください。このように述語のあとにおかれます。また、単独で用いることはできず必ず何か述語とともに用いられます。
「什么/甚麼」は“何、どれ”と事物を問う疑問語です。直後に名詞をおいて“何の、どの”という意味にもなります。
前項で述べたように疑問語はみな不定の意味にもなります。20.のB:は不定の意味で用いられており、否定文の中では“何も”とあらゆるものを打ち消す意味になります。
なお、文末の「么/麼」は今では「吗/嗎」と書かれますが、「怎么/怎麼」「什么/甚麼」は今でもこのとおりです。